こんにちは、なるけんです。
最近、▼の動画を見ました。
観るだけで人生が「好転」する映画 TOP5【マコなり社長の社長室】(21分52秒)
マコなり社長の話は勉強になるし、通勤中に聞き流せるしで結構頻繁に話を聞いています。
ゴリゴリと生産性を突き詰めて仕事の鬼と化していた人ですが、最近はこのようなエンタメ作品の紹介もされています。
ちなみに、▼のクレヨンしんちゃんも紹介されていました。
【映画レビュー】大人も泣ける感動の名作。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』を大人になった今こそ観よう!
『成果を出している人に影響を与えた作品…』
『せっかくのステイホーム期間だし観てみよう!』
って思ったんです。
この中で最初に手をつけたのが『最強のふたり』っていう映画です。
人への関わり方を見つめ直すきっかけになる作品でした。
- 人間関係で悩むことが多い。
- 人への「配慮」で息苦しく過ごしている。
- 1人でほとんど過ごしている。
そんな人にはぜひ知って欲しいお話でした。
今日はこの作品を観て感じたことを紹介していこうと思います。
※ネタバレがあるので気をつけて。
目次
どんな話かというと。
脊髄が損傷してしまって首から下が動かせない大富豪のフィリップ。
貧困層で育った移民の若者ドリス。
この2人の交流を描いたフランス映画です。
住み込みの介護人を雇うためにフィリップの自宅で面接をしていたところ、「不合格の証明になるサインをしてくれ」と書類を突き出してくるドリス。
その書類があれば失業保険をもらうことができるからであって、面接に来たものの採用されるつもりなんてありません。
採用してほしいという人が多い中、完全に異質な存在でした。
そんなドリスを試用期間ありで採用したフィリップ。
住み込みで自分の世話をさせていくことにしました。
これまでの自分の住んでいた環境とは比べ物にならない豪華な部屋を与えられ喜ぶドリスですが、仕事はとっても雑。
周りからも心配されるものの、配慮なく自分を「1人の人」として扱うドリスを少しずつ信頼していくフィリップ。
そんな2人の日常をコミカルに描いた実話に基づいたお話です。
この作品を観て感じたこと。
① 面接時の薄っぺらさ。
序盤、フィリップの世話係を決める面接のシーンがありまして。
何名もいる希望者の中からドリスが選ばれてお話が始まって行くわけなんですけど…。
ここで出てくるドリス以外の希望者の話す内容がとっても引っかかりました。
どうして応募したのかって質問に対して
「お金のため。」って笑いながら答えたり。
「スポーツの文化を障害者にも広めていきたくて…」と語っていたり。
「障害者が好きなんです。あの人も最後は僕が看取って…。」って自分に浸っていたり。
言葉を選ばずに言うとしたら、すごく気持ち悪かったんですよね。
本人の自覚なく障害者ってことを下に見ていたり、自分をガッチガチに作っていたり、相手のことが全く視界に入ってない感じとか。
どんな資格を持っていても、どんな経験を積んできていても、どんな理想を掲げていても、中身の薄っぺらい人はすぐに伝わってしまうんだなって思いましたね。
② 「ノーガード」で話せる強さ。
ドリスの介護人としての試用期間が始まるわけなんですけど、本当にドリスは無礼な人なんです。
フィリップが「そのチョコをくれ」って言っても「これは健常者用だ」と言いながら大笑いしたり。
足の感覚が分からないのをいいことに足に熱湯をかけてみたり。
普通の人ならとても言えないようなブラックな冗談もふんだんに使ってきます。
無礼で全く遠慮がない、
なんだけど、何も守ろうとしていないから考えていることが全部ダイレクトで伝わってきます。
最初はフィリップもイラっとしてるんだけど、そんなのお構い無しでドリスはふざけ続けます。
気がつくとイラっとしていた側も根負けして一緒に笑ってる。
そんな場面が本当にいっぱいありました。
自分を守らず発言できるから『娘のしつけ』という周囲の誰も指摘できなかった話題にも切り込んでいきます。
夜中に息が上がって苦しそうにするフィリップに気づいて「心配ない、ゆっくり呼吸して、大丈夫。」って声をかけたりする優しさも本心から思っているのが伝わります。
最初はギスギスしていた高齢の使用人であるイヴォンヌとも「彼氏いるの?」と話すくらい周囲に溶け込んでいきます。
周りからみたら前科のある粗野な情け容赦なさそうな危なっかしい存在。
どんなに心配されてもフィリップは『そういうところがいいんだ。いらないよ、情けなど。』と受け入れている。
ドリスの「ノーガード」なコミュニケーションをみていると『「配慮」とは一体何だろう』と思わされます。
③ 「障害」そのものより苦しいことがある。
フィリップは昔は健常者でした。
人の上に立って指揮するよう教育されてきていたこともあって、「競争」する競技が好きなんです。
そんな彼が打ち込んでいたスポーツがパラグライダー。
これを悪天候の日に強行してしまい、障害者になりました。
これは、ドリスを受け入れて全てを打ち明けてくれる場面で話していたのですが、フィリップには奥さんがいました。
大恋愛の末結婚したものの、5回の流産を経験し、不治の病に犯されていたことが発覚。
25歳の年齢でこの世を去ってしまった。
この話をするときにフィリップの目はずっと潤んでいました。
悪天候でパラグライダーを強行してしまったのも奥さんの苦しさに繋がりたかったから。
体のほとんどの自由がきかないことや周りからの目線がガラッと変わってしまうことよりも、
大好きだった人がもうそばにいないってことが「障害」そのものより苦しいんだなって感じました。
④ 退屈から一変、ダンスパーティになる誕生日。
フィリップの誕生日は毎回使用人のイヴォンヌが誕生日会を開きます。
親戚一同集めて、演奏を眺めたり、食事をする。
『フィリップが生きているかを確認する会』になっていて、退屈なものになっていました。
ドリスにスーツが与えられ、一緒に参加することになったのですが、
途中からオーケストラの演奏を辞め、ドリスのオススメの『アースウィンド&ファイヤー』の曲に切り替わります。
このときに1人で飛び出して踊り始めるドリス。
それにつられて使用人のイヴォンヌや庭師のアルベールも一緒に踊り出す。
気がつくとダンスパーティー状態。
このときの「みんな踊ろうぜ!フィリップの誕生日なんだ!」ってドリスの言葉がめっちゃ素敵だなって思ったんですよね。
今までの誕生会の参加者みたいに形式的に参加してる感じじゃないのが伝わってくる。
フィリップを大事に思っているのが伝わってくる場面で、僕がフィリップの立場なら絶対嬉しい。
誰かのために起こした行動は周りを巻き込む力がある。
それを学ばせてもらえた気がします。
⑤ ドリスの影響を受けていくフィリップ。
乱暴で雑な言動の多いドリスですが、一緒にいることでフィリップが影響を受けて言動が変わっていきます。
娘をしつけるときも「あのモップ頭と会うな!車椅子で轢き殺すぞ!」とかドリスみたいな言葉使ったりしてるし。
ドリスと2人で乗った飛行機が大きく揺れたときに「いい人生だった」とか縁起でもないブラックな冗談言ってるし。
車椅子の走行速度を最大まで出せるよう改造して、2人で街中を走り回ったりしています。
それまでのフィリップは本当に堅苦しくて気難しい人物で、介護人として採用した人が1週間で辞めていくほどでした。
それが、ドリスと関わることで活動的になり、笑顔が増え、人生を楽しむようになっていった。
人との出会いは自分の内面や人生に大きく影響するってことを再認識できました。
⑥ 名残惜しそうな別れ。
ずっと一緒にいるかと思われた2人ですが、突然ドリスは解雇されます。
薬?犯罪?とにかく悪い事をずっとコソコソ行ってきたドリスの弟が助けを求めてきたからです。
これまでひょうきんで明るいドリスばかりを見てきましたが、この場面で初めてドリスが自分の家庭の話をフィリップに打ち明けます。
自分の世話をさせる仕事から解放して、ドリスを自分の家庭に帰らせてあげることにしたってわけです。
2人が腹を割って話してる感じとか、娘のしつけに関してフィリップに言ってた言葉をマルッとそのままフィリップが口にしていたところとかもとても心が動いたのですが、
一番心が動いたのは、翌日、使用人イヴォンヌとドリスが別れる場面でした。
初めて屋敷を案内している時とかはホントに2人ともギスギスしてたんです。
でも、一緒に仕事を重ねる中でプライベートな話もする仲になったり、ドリスの意中の相手の情報をこっそり教えてくれたり、信頼関係が深まっていた。
お別れ直前にドリスが名残惜しそうに「イヴォンヌ〜…」って抱きついていたのがホント素敵だなって思いました。
第一印象って大事だって言われるけど、自分に正直に生きて行動することで人間関係なんてガラッと変えられてしまう。
そんな事を思わされました、全部自分次第ですねー。
⑦ ドリスが背中を押し続けた。
妻と離れてからずっと独り身だったフィリップですが、1人だけ女性の文通相手がいました。
お互いに詩が大好きで意気投合している感じだったんです。
でも、障害の事を伝えていないのでなかなか進展しない状況でした。
その状況を見かねたドリスが、フィリップの反対を押し切って無理やり直接電話をかけました。
怒っていたフィリップも電話で話す事でより相手との距離が縮まっていきます。
写真を送り合うことになってあまり気乗りしないフィリップですが、その写真選びですらドリスは一生懸命。
普段はクールなフィリップも女性関係になると別人のように落ち着きがなくなります。
服装をなんども細かく変えるように指示を出したり、時間を何度も確認したり。
ドリスが選んだ写真を障害がわからないものにすり替えたり、相手の女性との待ち合わせ場所から逃げてしまったりもあります。
それでも、最後の最後にはドリスのおかげで出会うことができました。
フィリップに限らずドリスはいつも誰かの背中を押している人物です。
使用人のイヴォンヌに「庭師のアルベールがいつも目線を送っている」って事を教えて、映画の最後では2人が出かける仲に進展していました。
フィリップの娘の生意気なエリザが失恋で泣いていた時、ひどい事を言った彼氏にガツンと意見しに行ったりもしていました。
ドリスの弟が顔に傷ができるほどのトラブルがあった時、その道から抜けられるよう話をつけに行ったりもしていました。
誰かのために強くなれる人だからこそ一緒にいたいと思ってしまう。
自分がもらうことよりもまずは先に与えることが大切なのだ。
そうドリスから教わったように思います。
予想のつかない方に飛び込んでみる。
この話はぱっと見ドリスの人柄にフォーカスが当たっているので、正直に自分の気持ちで行動していく大切さが目立ってしまいがち。
ただ、冷静になって考えたのですが、この話で一番すごいのは『ドリスを採用する』と決めたフィリップだと僕は思うんです。
どう考えても採用してうまくいくイメージなんて予想がつかない。
思っていた働きすらしてくれずイラっとすることの方が圧倒的に多い。
それでも、ドリスの光っている部分に目を向けて関わり続ける懐の深さがフィリップにはありました。
普段関わらない人と関わるなんてことは僕も結構してきた方だと思うんです。
ただ、「見切り」をつけることや「線引き」することもその分多かった。
続いていたら何か違った大きな結果を生み出すことも多かったかもしれない。
だから、それができるフィリップに脱帽でした。
金銭的な気持ちの余裕があったからかもしれないし、無難な人を採用してはうまくいかないって事もあったからかもしれない。
それでも予想のつかない方に飛び込んでそこに身を起き続ける選択ができるのはかっこいいなって思います。
僕の中の「いい映画」の定義ができた。
色々映画を観てきた中で「これはいい映画だ」って思う基準ができました。
それは『観終わった後もその映画で心が埋め尽くされる』ってこと。
心が動いた映画を観た後、僕はいつもすぐにウィキペディア開きます。
キャラクターの背景や物語の骨組みを読み込んで、より理解しようとします。
“なるけん”
次に、その映画の考察ページを探します。
『はー、あの場面はそんな捉え方もできるのか』
『この時感じたこと、こんなわかりやすく言語化してくれてるとは』
『理解できなかったあの場面の意図がやっと分かった』
って自分の見識を深めようとしてしまいます。
同じ意見も嬉しいけど、違った意見が見つかった時ほど嬉しいかもしれない。
そして、ひどい時はその映画を2周観たりします。
そのくらい終わってからも強烈に頭に残るものが僕にとっての【いい映画】。
アニメとか漫画といった他のメディアでも言えることかもね。
この映画が終わってこの道筋を当たり前のように辿ってる自分に気づいて、ふと、『また「いい映画」に出会えたんやー』って感じました。
僕と同じようなタイプの人たちもきっといると思うので、そんな人たちの考察に僕の記事も役立てばなーって思ってます。
思った事をそのまま言えるのが一番。
この映画を観終わった後、そのまま最初から再スタートしたワシw
そのくらいハマってしまいましたねー。
2周目すると最初のカーチェイスの場面も見え方が大きく変わります。
アースウィンド&ファイヤーの『September』を車内に流しながら、2人が頭を大きく揺らして大きく口を開いて歌ってる姿に最初にはなかった感動がありました。
無礼で失礼なドリスだけど、気がつけばフィリップが心を許した最高の相棒になっています。
きっと大切なのは『思ったことそのまま伝えられる【正直さ】』だと思うんですよね。
空気を読んで身の振り方や伝え方をついつい僕たちは考えてしまいがち。
でも、心を動かされてきた場面はきっといつも誰かの正直さに触れてきたからだと思います。
すぐにできなくても「正直」に思った事を伝えていく練習はしていこうって感じました。
なかなかシュールのジョークも多い作品ですけど、初見では分からなくても2回見ると汲み取れるようになります。
ぜひ、時間を見つけて2回観てみてくださいな。
今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
ではでは。