こんにちは、なるけんです。
今日は最近読んだ本を一冊紹介します。
『センスは知識からはじまる』っていう本です。
本屋さんに頻繁に足を運ぶ人なら多分見たことあるんじゃないかな?
平置きされていることも何度もある本なので。
『タイトル見たら何となくイメージ湧くな』、って思う本はいっぱいあるけど、この本はその最たる例ですよね。
「知識を集めればセンスが磨かれるよって言いたいんでしょ?」ってワシも見た瞬間は思ってしまいました
でも、何となく『それだけじゃないような…』『もっと深い部分を理解させてくれるんじゃないか…』ってピンと感じまして。
期待半分でこの本を手に取ってみることにしました。
読んでみると、何とも論理的だこと。
『なるほど…』『確かに…』と何度頭の中で呟いたか分かりません。
学ぶことが沢山あったし、これはあらゆる環境で働く人に役にたつと思ったので感想をまとめていきます。
目次
この本がどんな本かっていうと…。
この本の著者は水野学さん。
かの有名な熊本の公式キャラクター、『くまモン』の生みの親です。
もともとはグラフィックデザインの業務を行なっていたらしいです。
仕事をする過程で、「グラフィックデザインの分野のみでなくもっとトータルでデザインできないか」と考え始め、知識を深めつつ商品企画、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、経営コンサルティングとどんどん活動の幅を広げられています。
クリエイティブディレクターとしてあらゆる環境で働く中で磨いてこられた『センス』。
これはどんなものであって、どうやって身につけていけるのか、それをこの本で紐解いてくれています。
この本から学んだこと。
① センスの良さの定義。
『センス』と一言でいうものの、そもそもどんな意味だろうって考えたことありません?
水野さんは、この本の中で▼のように定義してくれています。
『数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化する能力。』
「おしゃれ」とか「かっこいい」とか「かわいい」とか。
意味は分かるんだけど抽象的、数値化なんてできない表現ですよね。
『一番売れている服』『一番高い服』はデータが存在していて数値化できる。
けど、それを着れば誰もがセンスが良くなるわけではないですよね。
数値で測れないから分かりにくいけど、明確に《センスのいい・悪い》は存在している。
それをどうしてそれが魅力的なのか見極め、最適な落とし所を見つける力に長けているのがセンスのいい人です。
② 『普通』を知る。
センスを磨くためには『センスのいいものに触れる』のが一番かと僕は思っていました。
この本を読んでその考えがひっくり返りました。
センスを磨くために把握するべきことは『普通』です。
「普通」が分かるからこそ、センスのいい・悪いの判断ができるようになります。
一番真ん中が唯一のモノサシになるんです。
普通を知ることで「普通より少しグレードの上のもの」「普通よりも大きく質の高いもの」「普通より質は低いけど安くて大量に生産できるもの」などあらゆるものが意図して作れるようになります。
普通を知るための唯一の方法は『知識を得ること』です。
あらゆる分野の知識を集め、あらゆる分野の「普通」を把握することがセンスのいいものを生み出す秘訣です。
③ あらゆる職種にセンスは必要。
どんなにいい仕事をしても、
どんなに便利なものを生み出していても、
《見え方のコントロール》ができていないと人の心に届きません。
スーパーであっても、美容室であっても、銭湯であっても、集合商業施設であっても、
どんな環境も『どんな問題を解決できるのか』『どんな楽しいことが味わえるのか』『どんなメリットがあるのか』が目に見て分かる状態にしておかないと利用してもらえません。
誰が食べても美味しいと感じる極上のお菓子だったとしても、パッケージが雑で魅力がなければ誰も手に取りませんよね。
せっかくこだわって作っていても、誰にも食べてもらえず捨てられるだけになるなんて悲しいもの…。
だからこそ、あらゆる職場において【センスを磨くこと】は必要なんです。
④ 「共通項」や「一定のルール」がないか探す。
この本では新しいものを生み出そうとするときに水野さんがどのような手順で考えているかもいくつか紹介されています。
その中でも真似したいって思ったのは3つです。
1つ目は、長く広く愛されている『王道』のコンテンツの知識を集めること。
2つ目は、一過性のものであっても爆発的に受け入れられている『流行』のコンテンツの知識を集めること。
そして3つ目は、それらの『共通項』や『一定のルール』がないかを探すということです。
特に実践していきたいと思ったのは3つ目。
受け入れられるものの理由を追求する作業は是非ともしていきたい。
それらの理由を抽出できれば初めて自分が使いこなせる知識になる気がします。
⑤ 「センスを磨く研鑽」の継続が難しい。
センスがある人のことってどこか特別視してしまいませんか?
僕は結構その気が強くって、『生まれもった才能』のようなものだって思ってました。
この本を読んだ後では、『センス』とは後天的に磨いていくものだって感じるようになりました。
ただ、そう思うようになった後でもセンスを磨くことへの難しさは心に残り続けてます。
それは、継続することが難しいのを知っているからです。
能力がある《限られた人》しかできないからではない。
本当に簡単な「大切なこと」を認識して、継続することがセンスを磨いていくってこと。
日々、実践することを繰り返すってのが難しいですよね。
継続してできる仕組みづくり、習慣づくりも一緒に考えないといけないだろうなって思いました。
⑥ 「感覚」に頼らない。
『センスがいい』と周りから認められると、その人に仕事も集まってくるものですよね。
自分が任された仕事において『感覚的にこれがいいと思う』というのは禁句だと水野さんは言います。
「どうしてこのデザインなのか」を説明できるまで考えると精度が高まります。
感覚は知識の集合体。
「美しい」と思う背景には、これまで目にしてきたあらゆる美しいものたちが存在しています。
それらを丁寧に紐解いて、このコンテンツから美しいと感じるかはなぜかって所まで言語化できるくらいになりましょう。
自分が採用したものの意図・理由まで説明してもらえると相手もより納得できるでしょうし、自分の感覚もより洗練されていきます。
⑦ センスを活用する技術も磨く。
世の中には『狭い分野』に特化した人もいますよね。
電車をこよなく愛する人とか、ビートルズのことならなんでも知っている人とか。
その人たちはどんな話題も【自分の得意な分野】に結びつける力に特化しています。
得意だからこそ、普通では発想できないアイデアが生まれたりもするものです。
「またそれか」と言われても自分の土俵にもっていき、センスを活用していく力も磨いていくべき。
いい企画を出すのに迷ったら一旦自分の得意分野から考えてみましょう。
知識の吸収のために【感受性】と【好奇心】をもち続ける。
僕がこの本を読んで感じた《センスを磨くために必要なこと》は簡単にまとめると下の3つ。
- 知識を吸収して、あらゆるジャンルの『普通』を知る。
- 受け入れられているコンテンツの『理由』を抽出する。
- 蓄積されたものを現場で『活用』する。
だからこそ、センスを磨くためには『知識』を吸収していくことが必要不可欠なんです。
知識を吸収するにはやっぱり読書が一番ですよね。
▼読書をこれから始めたいって人にはこちらの記事がオススメです。
ただですよ…
知識ってこれまでいっぱい吸収してきたはずなんです。
学生の時とか苦しみながらいっぱい英単語とか覚えてきたし、『今後どんな場面で使うんだよ…』と言いたくなるような数式だっていっぱい頭に叩き込んできた。
“なるけん”
それらを綺麗さっぱりと忘れている自分がいます。
だからこそ、ただ知識を吸収するだけではダメなんです。
僕が知識を自分に蓄積するために必要だと感じるのは『感じる力』と『興味をもつ力』です。
一夜漬けで覚えた知識って興味もないし、どんなものなのかを咀嚼して感じようとしないからなかなか自分に蓄積されないんだと思うんです。
でも、今でも内容をはっきり覚えているアニメや漫画や映画。
それらって自分がしっかり興味をもっていて、ストーリーやキャラクターや世界観を感じ取っていたからだと思うんです。
【感受性】と【好奇心】、これがセンスを磨いていくために必須の力と言えるでしょう。
自分から積極的に行動して、心から味わってみる、そうやって僕はセンスを磨いていこうと思います。
今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
ではでは。