こんにちは、なるけんです。
最近、職場でPOPを作ることが増えてきました。
大変な時期にも関わらず空港まで足を運んでもらっているわけですから、ちょっとでも商品の魅力を感じてもらい手に取ってもらえるよう試行錯誤しています。
POPを作るとき、僕はまずお手本になるものがないかをネット上で探してみます。
“なるけん”
なんてありがたい世の中だ。
お手本を探しつつ「より魅力的に見えるアイデアないかなー」って考えるわけです。
本業にかかわらず、副業でもプレゼン資料やサムネイルなども作る機会が増えてきて、アイデアのつくり方を探す機会が増えてきました。
なので、アイデアに関する本を手に取ってみることにしました。
たくさんの本がある中、今回は紹介している人の多かった『アイデアのつくり方』という本を購入して読んでみました。
海外の本を日本語訳しているので言い回しが独特ではありましたが、とってもいい本でした。
これで800円は安すぎるかも!
- アイデアを必要とする作業が多い人。
- アイデアの生み出し方を知りたい人。
- 周りから抜きん出た存在になりたい人。
そんな人はぜひ最後まで読んでいってください。
目次
とても手に取りやすく、とても読みにくい。
▼これ、この本の背表紙なんですけど…
まーー驚くほど薄いんです!
厚さは1cmもありません。
これまで読んだ中で圧倒的に薄くて、ページ数も約100文字。
「読んでみよっかな」って手に取ってしまいやすい本です。
……なのですが。。
こんなことを言ってしまうのもなんですが…びっくりするぐらい読みにくい本です。
海外の本を直訳されているようで、言い回しがなかなか独特。
分かりやすくするために言ってくれているであろう表現が回りくどく、逆に分かりにくくなったり「何の話してたんだっけ?」と見失うこともしばしば。
「これは〜です。」と言い切らずに抽象的に書かれている表現も多かったので、薄い割に結構読み切るのに苦労した印象があります。
“なるけん”
でも、オススメされている人が多かったから頑張ったのだ。
読みにくさはあったけど、書かれている内容はめちゃんこ強力でした。
きっと一生使っていく考え方だろうなと思いましたんで、学んだことをまとめていきます。
どんな本かというと。
シカゴの広告代理店で勤めていた著者に、有名な雑誌社の広告部長から一本の電話がかかってきました。
「これから私たちがやるべきことは『広告スペースを売るのでなく、アイデアを売ること』だ。」
「だが、肝心のアイデアをどのようにして手に入れたら良いかが分からない。」
「素晴らしい広告をいくつも作ってこられたあなたに、その作り方を教わりたい。」
ざっくりまとめるとそんな内容でした。
それを機にこの問題に対して考えるようになった著者がアイデアを作るための5つの手順をまとめました。
それがこの本です。
アメリカの広告クリエイターの間で「バイブル」と呼ばれていた本が、日本語訳されて「解説」までセットになっているのがこの本です。
この本から学んだこと。
① アイデアを売るという発想。
まだ本筋に入っていない「この本の経緯」として書かれていた内容ではあるのですが、『アイデアを売る』って考え方大事だなーって思いました。
広告を売っているなら、広告の「スペース」を売りがち。
おみやげ屋さんなら、お土産という「商品」を売りがち。
売っている物自体にフォーカスが当たってしまいがちだと思うんです。
『ドリルを売るには穴を売れ』という有名な本もありますが、ドリル本体でなく「穴」が欲しい人がドリルを購入するわけです。
これも、「穴を効率よく掘れるアイデア」を売っているということ。
お客様に提供するアイデアを「より分かりやすく伝えること」が大事なのだと感じましたね。
②『創造する側』と『操られる側』が存在する。
「創造する側」というのは「仕掛ける側」とも言い換えられるかもしれません。
世の中の当たり前を覆して「新しい常識」を作るために、思考している人。
作られた常識に流されるだけになってしまう、思考しない人。
人はこの2つに明確に分けられてしまうとこの本では語られています。
広告活動に少しでも魅せられたのだとしたら、世界を組み立て直し、創造しようとしているということ。
才能を伸ばす努力をし、行使する技術を身につけることで創造力は高められます。
創造していく側にいけるよう、思考し続けていたいものです。
③ 技術を習得する際に学ぶべきは「原理」と「方法」。
ここで言う「原理」というのは、
この本では「定義」「決まりごと」「疑いようのない事実」のような意味で使われています。
簡単に言うと、どんな土台があるかを把握した上で手段を学ぶのが「技術の習得」に欠かせない、ということ。
これは、どの分野においても言えることだなと思いました。
「自分らしさ」とか「個性」を大事に感じる人もいるかもしれませんが、それはこの2つを身につけた後の話だと思うんですよね。
まずはお手本を真似て身につける。
その上で、より効率よく進めるように改善したり、より魅力的になるように磨き上げるって順番の方がより実用的な「個性」になっていく気がします。
④ アイデアとは「既存の要素の新しい組み合わせ」。
今回の本ではアイデアのつくり方を学ぶ上での「原理」は2つ紹介されています。
その1つ目がこれです。
アイデアというものは、それだけ聞くととても漠然としています。
でも「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」と定義されるとしっくりきませんか?
「iPhone」だって《携帯電話》×《カメラ》×《パソコン》
「Ubereats」だって《出前》×《時間&移動手段を持っている人》×《副業収入》
「ペイペイ」だって《財布》×《携帯電話》×《アプリ》
世の中に当たり前のように広まっているこれらの商品やサービスも、冷静に考えてみると「既存の要素の新しい組み合わせ」でしかないんです。
⑤ アイデアを生み出す力は「事物の関連性を見つける力」に依存する。
2つ目に紹介されていた原理が「アイデアを生み出す力は『事物の関連性を見つける力』に依存する」ということ。
つまり、世間の「アイデアマン」と言われる人たちは繋がりを見つけるのが上手な人のこと。
全く関係のない2つ以上の情報の中から、いかにして魅力的な「新しい組み合わせ」を見つけられるか。
その感覚・習性を身につけていくことがアイデアを生み出す場面では重要です。
関連性を見つける力は先天的なものでなく、後から磨いていく力だと述べられていて僕は心底ホッとしています。
意識して過ごしていきます。
⑥ アイデアを生み出す5つの手順。
「原理」を理解した後に重要なのは「方法」を理解すること。
▼の5ステップがアイデアを生み出すための方法として説明されています。
抽象的な表現が多かったので、僕の理解した内容で噛み砕いてまとめてみました。
- 資料を集める。
- 集めた情報を吟味する。
- 考えたことを寝かせる。
- 閃く。見つける。
- アイデアを具体化し形にする。
① 資料を集める。
「特殊資料」と「一般資料」を集め、組み合わせる材料を準備すること。
大切にも関わらず、この最初のステップが無視されがち。
② 集めた情報を吟味する。
材料を手にとって触ってみたり、見る角度を変えてみたりして、材料の意味・関係を調べること。
あまりまともに直視せず、文字で解釈しようとしなかったり横目で見ようとしたりする方が核心に迫れたりもする。
思い浮かんだアイデアは、どんなに不可能そうなことでも書き出しておく。
③ 考えたことを寝かせる。
考えていた問題を完全に放棄し、音楽を聴いたり、映画を見たり、自分の想像力や感情を刺激するものに心を移すこと。
①で見つけた食べ物を②で咀嚼し、③で消化している。
④ 閃く。見つける。
ここまでの手順が踏めていると、ふとした瞬間にパズルのピースがピッタリはまるポイントが見つかる。
アイデアを探し求める心の緊張を解き、休息とくつろぎのひと時を過ごして「余白」を作るからこそ「アイデア」が舞い込んでくる。
⑤ アイデアを具体化し形にする。
自分の脳内にしかない生まれたばかりのアイデアを世の中に生み出すこと。
現実の過酷な条件や障壁を突破するためには忍耐強く手を加える必要もある。
実現が難しく自分の胸の底に沈めるのはもったいない。
理解ある人々の意見・批判を仰いで世の中に連れ出そう。
どの現場でも使える万能な方法論だと思いましたね。
焦って③を行わなかったり、実現が難しくて⑤を諦めたりとかしがちだったので、これはちゃんと順番通りに実践していくようにします。
⑦ 集めるべき2種類の資料。
アイデアが「組み合わせを見つけること」なのであれば、組み合わせる材料を最初に集めるというのはごもっともだなと思いました。
その集める材料である「資料」には『特殊資料』と『一般資料』の2種類があると説明されています。
◯ 特殊資料
製品とターゲットとなる消費者の情報。
深く深く掘り下げていく中で、製品と消費者との関係の特殊性が見つかる。
◯ 一般資料
世の中に広まっている様々な出来事についての情報。
「特殊資料」を集める重要性は分かるけども、実際はこれがめちゃくちゃ難しいことが僕も経験上分かっています。
どのような手段でこの資料を集めるかを別の本なりWEBページなりで見つける必要はあるなと思います。
⑧ 見える化する。
集めた資料は「カード」に書き出すことを著者は勧めています。
カードに書かれていれば資料をコンパクトにまとめられますし、上下左右にくっつけて関係性を考えたりもできますね。
大事なのは、集めた資料を「言語化」して見えるようにしておくことかなと僕は捉えています。
自分の言葉で書き起こす過程で理解も深まり、手札をいつでも取り出すことができるようにしておけば吟味がしやすくなります。
⑨ 言葉はアイデアのシンボル。
世の中の魅力的なアイデアは「言葉」で表現されていることが多いです。
表現されていなかったとしても、魅力を「言葉」にして書き出すこともできます。
つまり、「言葉」はアイデアを表現する【シンボル】のようなもの。
言葉を集めることでアイデアも集まるということです。
行き詰まった時は、「資料」の1つとして『言葉』を集めてみるのもいいかもしれません。
⑩ 行動する。
本文の後の解説の締めくくりに書かれていた部分が僕は重要だと思いました。
方法やツールばかり集めて何もしない人はどの世界にも多いものです。
好きなことをお金に変えて、誰かの役にたつという自己実現の人生を目指すとしても、
方法やツールは手段でしかありません。
結局のところ、手に入れた武器を生かして「行動」するしかない。
選べる道の選択肢が増えたとしても、前に進まないのであればいつまでたっても同じ場所から動けませんからね。
帯のキャッチコピーが魅力的。
この本、帯に書かれているキャッチコピーが超強力でした。
▲これのことね。
「へー、一生離さないってどんな本だろう?」
「1時間で読めるなら比較的負担も少ないな」
僕はそんな考えが頭をよぎりました。
次の瞬間には手にとっていましたね。
このキャッチコピーも、この本ならではの立派な「アイデア」だと思うんですよね。
- 200〜300ページあるのが当たり前な中、たった100ページしかないという特徴。
- 「内容が薄くなると取られがち」というデメリットと、「薄い分早く読み切れる」というメリット。
- 「これからもずっと役に立つ」という自信のある内容。
それらの材料を「組み合わせて」、一瞬で顧客が理解できる「言葉のアイデア」に落とし込んでいるのがこのキャッチコピーですしね。
パレートの法則を体現したような本。
この本の中で「パレートの法則」がなんども顔を出します。
「パレートの法則」ってご存知ですか?
超簡単にいうと、全ての物事は「2割」と「8割」に別れてるよーって法則ですね。
会社で例えられることが多いのが特徴です。
2割の優秀な従業員が、全体売上げの8割を生み出しているよーとか
2割のロングテール商品が、全体売上の8割を生み出してるよーとかね。
この本……パレートの法則を体現したような本でした…。
8割くらいの回りくどくて、独特な言い回しで、なんとも読みにくい文章の中に…
キラリと光る超強力な2割の情報が埋まっている。
“なるけん”
ページ数と反比例する疲労感とともに押し寄せる「これは絶対に役立つわー」っていう実感。
そんな不思議な本でした。
抽象的なところも埋めながら2割の部分をまとめ上げた自分を褒めてやりたい。
そして、この不思議な感情をみんなにも味わってみてほしい。
なんとも言い表せないふわふわした感覚ですよ、今。
仮に本を手放すことがあったとしても…
この「アイデア」を作るための【思考法】は確かに一生手放せないだろうなー。
ぜひ、みんなも読んでみてくださいな。
今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
ではでは。