こんにちは、なるけんです。
成平家は結構ディズニーにどっぷりハマってきた家族です。
ビデオとかもなかなか揃っていて、『アラジン』『ピーターパン』『白雪姫』『シンデレラ』『美女と野獣』みたいなメジャーなやつはもう擦り切れるほど見てきてます。
“なるけん”
新しいものが出たらできる限り映画館に行ってみるようにしてましたが、ここ数年は本当に身の回りの環境が大きく変わりすぎてたので全然見れませんでした。
だからこそ、見逃してしまった作品もこの時間のある今見てしまおうと思いまして。
早速借りてきたのはディズニーピクサーの『リメンバー・ミー』!
いやーー、最高に面白かった!
最初のディズニーキャッスルが出てくる所の音楽もPOPで弾むようなアレンジがされてて、最初からテンション上がりましたねー。
今日はこの作品の感想を書いていきます。
※ネタバレあるからね、見るのは自己責任やけんね。
目次
今回は『日本語版』の一択。
日本のアニメ映画見る時以外は「英語」で見るか「日本語」で見るかいつも迷います。
ただ、今回は全く迷わず見れました。
なんてったって、ミゲルの声が『石橋陽彩くん』だから。
僕は結構前から彼のファンです。
歌が大好きだったワシにとって、まだテレビがあったころは『カラオケ☆バトル』って歌番組が楽しみの1つでした。
そこに石橋陽彩くんも登場して、伊藤由奈の『precious』を歌ったんです。
“なるけん”
これにねー、心を射抜かれたんですよねー。
『その高音、でんの!?』と衝撃を受け、鳥肌がずっと立ちっぱなし。
今は声変わりしてしまっているでしょうが、彼が歌うなら絶対聞かなきゃ!
そう思っていたワシには日本語一択でしたね。
“なるけん”
頑張ってー、見るよー!!
どんな映画かというと。
主人公は音楽が大好きな少年、ミゲル。
彼の家系は、ひいひいお爺ちゃんが音楽を追求するあまりに家族を捨てて家を出て行ったことから、「音楽を禁止する掟」を一族に強制していました。
女手1人で娘を守るため、ひいひいお婆ちゃんは靴屋を経営。
技術は代々受け継がれ、靴屋は繁栄していきます。
ミゲルも靴磨きをしつつ、ゆくゆくは靴屋として生きていく…はずなのですが。
憧れの歌手である亡くなってしまったデラクルスに影響され、こっそりミュージシャンを目指していました。
1年に一度だけだけ亡くなった人が街に帰ってこれる「死者の日」。
その日に開催されるコンサートに参加するため、デラクルスの霊廟に飾られているギターをこっそり借りて弦を弾くミゲル。
すると、体に呪いがかかり、生きている人から見えない姿に。
その代わり、死者の国から帰ってきた先祖たちと話すことができるようになりました。
自分の呪いを解くために、先祖たちと死者の国に入国。
そこで、不法出国をしようとしていたヘクターと出会い、一緒に元の世界に戻れるよう行動していく、ってお話です。
心が動いた場面。
① ダメと言われたらやりたくなる子供心。
物語のスタートは音楽を禁止された家族の描写から。
けど、ミュージシャンに憧れるミゲル。
移動中に音を鳴らせるものを片っ端から叩いたり、ミュージシャンが集まる広場まで靴磨きに行ったり。
家族に禁止されたことをついついやってしまいます。
ダメと言われたらやりたくなってしまう反抗期前後の子供心を的確に描いてるなって思いました。
“なるけん”
② 広場のミュージシャンとのやりとり。
結構序盤から、僕は心が動いた場面がありました。
ミゲルが禁止された広場まで出てきてミュージシャンの靴磨きをしていた時、ミュージシャンとミゲルはこんな会話をしていました。
「君、ミュージシャンなんだろ?」
「わかんない、一度も人に聞かせたことないし」
「デラクルスは優れた才能を隠したまま世界的なミュージシャンになったのか?
いいや、広場の真ん中で堂々と音楽を奏でた。」
「デラクルスみたいになりたければ君もコンテストに出ろ。」
「無理だよ、家族に怒られちゃうもん」
「そんなことで諦めるくらいなら一生靴を作ってろ」
これ、結構強烈なこと言ってますよね。
本当にやりたいなら堂々と胸を張ってやればいい。
周りにダメと言われて諦めるくらいならそれまで。
そんなことで夢が叶うはずなんてない。
そう言われている気がしました。
今を生きる私たちにも当てはまることですよね。
やりたいことがあるなら飛び込んでみなきゃ、そう思いました。
このミュージシャンのおじさん、そんな厳しいこと言いながらも
「君の最初の観客になろう」ってギターを差し出してくれるんですよね。
なんて素敵、最初のちょい役で終わるには勿体無い魅力おじさんでした。
実在するなら友達になりたいぜ。
③ 才能がないと出られない。
上記のおじさんとのやりとりに影響を受けて
「コンテストに出たいなー…」とミゲルが家族の前で口に出します。
そのあと、いとこ?の女の子が
『コンテストは才能がないと出られないのよ?』って返答するんです。
こういう固定概念、怖いなって思います。
自分は才能がないから…って挑戦しない理由を簡単に作ってしまえます。
やらない理由を作るより、やる理由を作れるようになりたいものです。
ちなみに、坪田さんによると『才能』は誰にでもある後天的に身につけられるものです。
▼この本を読めばわかります。
④ 秘密基地、懐かしいー!
屋根裏にミゲルの秘密基地があります。
もう、これ、めっちゃ懐かしかった!
昔ね、僕の爺ちゃん婆ちゃんの家の庭にボチボチ丈夫な木が生えてましてね。
これにハシゴかけて、足場作って、無理やり木の上で居座って『秘密基地』とかって言ってたりしてたんですよー。
イメージでは床作ったり壁作ったりした基地を思い描いてた。
でも実際にはそんな技術もなくて足場で精一杯。
ミニ四駆やら何やら好きなものを持ち込んでたような記憶があります。
走らせられるわけないのにねw
それに比べ、ミゲルの秘密基地はなかなか立派。
ギターも手作りで作ったり、ビデオ見るための電気まで引いてます、あやつは。
音楽の才能もあるけど、内装工事の才能もあると思うよw
秘密基地は男のロマン。
そういう要素描いてくるところ、ディズニーはよくわかっている。
“なるけん”
⑤ 家族の呪い。
「家族のためにいるのが家族ってもの」
「上手に作れなかったら?」→「大丈夫、家族みんなでお前を導く。家族みんな靴職人だ」
「家族に従いなさい」
こういう強烈に家族で縛る言葉が序盤は本当に多い。
厳しいことを言ったり、ミゲルのギターを壊したりもする。
けど、やってる本人たちは傷つけていることを全く客観視できていない。
100%ミゲルのためと思ってやっている。
そういう「呪い」のような表現をたくさん序盤に盛り込んでくるのがとても印象的。
反抗期の頃に戻った気持ちになります。
そして、こういう夢や目標を阻害しようとする『ドリームキラー』って存在は、新しいことを始めようと思う時に必ず現れますよね。
その人たちも基本的に100%自分のことを心配して阻害してます。
諦めきれない夢ならば、ありがたみを感じつつもそこで屈せず、ミゲルのように前に進んでいく強さも必要だなって思います。
⑥ あらまあこんなに大きくなって〜。
ごめんなさい、ここまでで3000文字くらい書いてるけども、ぶっちゃけ、映画内ではここまでで20分も経ってないと思いますw
それだけ、序盤から大切なこと言ってるなーって思ったんですよ。
ここからはやっとね、ミゲルに呪いがかかって死者が見えるようになった場面です。
デラクルスの霊廟から出ると、あたりのお墓にたくさんの死者が帰ってきているのに気がつくミゲル。
そこで周りの死者たちの描写があるのですが、
お墓まいりに来ていた家族と孫を眺める死者の老夫婦が『あらまあ、こんなに大きくなって〜』と微笑んでいた場面があります。
これがね、めっちゃ素敵だったんですよねー。
ぶっちゃけちょっと涙出そうになりました…。
これほどまでにほっこり和む場面はなかなかないと思う。
親戚で集まった時によくみんなでお墓まいりにいくのですが、その時もこんな風に近くまで降りてきて見守っててくれたらなーって思わずにはいられなかったですね。
ほんの1〜2秒くらいの場面だから見逃さないでね。
⑦ 2回死ぬという設定。
これがディズニーが描く『死』かと驚かされました。
この話の中では「死」は2回存在します。
僕たちの世界で言う「死」はこのお話の中での「肉体の死」。
これが訪れると、現実世界から死者の国に移り住むことになります。
もう1つは、自分を覚えてくれている人が1人もいなくなった時に起こる「精神の死」。
自分との思い出がある最後の1人が、誰にも思い出を語ることなく死んでしまった場合に起きてしまう現象です。
これが訪れると死者の国からも消え、完全に自分という存在がなくなります。
これ、逆に考えると、自分のことを覚えてくれている人がいれば死者の国で永遠に生き続けられるってこと。
もっと言うとお仏壇(この作品内で言う祭壇)に写真が飾られていることが死者の国から現実世界に帰ってこれる条件にもなっています。
お仏壇に写真を飾ったり、みんなでお墓まいりに言ったり、先祖のお話を次の世代に語っていく。
「死が2回ある」という設定によって、これらの行動に意味が生まれるってことなんです。
ご先祖様のことを想うってことに対して、ディズニーらしく「意味」を創出した素敵な設定だなって感動しました。
⑧ デラクルスの顔が緑がかる。
この話も悪者は出ないのかなーって思ってたんですが、ちゃんといました。
これまでミゲルがずっと憧れて追いかけていた「デラクルス」でした。
デラクルスが生前にどんな悪事を働いたかが明らかになる直前。
デラクルスの顔に緑の明かりが当たります。
悪者の描写なんてこれまでなかったけど、これから何かが起きるよっていう「不気味さ」がちゃんと演出されています。
デラクルスの「ヴィラン感」がしっかり強まっていました。
視聴者にちゃんと準備させてくれてるなーって思いました。
⑨ どちらかを選ぶということ。
ミゲルの一族に「音楽を禁止する掟」を出した、ママ・イメルダ。
彼女も実は音楽が好きだった事が明かされる場面でのやりとりです。
音楽は好きだった。
けど、娘が生まれて音楽よりも大切なものがあると知った。
『お前もどちらかを選びなさい。』
そうミゲルに言います。
そうやって「どちらか1つ」という選択をしていく事が大人になる事なのかと思わずにいられません。
『家族より大切なものなんてないから。』と一度は音楽の道を諦める覚悟をしたミゲル。
どちらも大事にできる道を探すことはできなかったのかと僕は思ってしまってたんです、けど…
死者の国でイメルダは久しぶりに舞台の上で歌うことになります。
音楽の素晴らしさを思い出し、ミゲルが音楽をできる条件で現世に送り返すイメルダの目は暖かくて
『家族がどれほどあなたを大切に思ってるか忘れないで。』って言葉を送るとこはなかなかジンときます。
そして、現実に帰ってきたミゲルは、家族を大切にし、音楽を思いっきりやっている。
どちらかを選ぶのでなく、大切なものをどちらも手放さない道を選択している。
『どちらかを選ぶ』ということだけが道ではない、とストーリー全体で伝えてくれている気がします。
⑩ 最後の『音楽はいつまでも』。
主題歌の「リメンバー・ミー」は誰が誰に歌った歌なのかがお話の中で分かります。
この歌も本当にいい歌で、ストーリーの中で何度も耳にすることになります。
ただ、僕が一番響いたのは最後にミゲルが歌う『音楽はいつまでも』でした。
一年後まで時間が進み
ミゲルには妹ができ、ココおばあちゃんの写真が祭壇に加わっていた。
ヘクター、イメルダ、ココの家族が死者の世界で再会する事ができた。
ヘクターの写真も祭壇に飾られていて、やっとみんな揃って現世に戻ってこれた。
妹にご先祖様は大切な家族なんだよって教えているミゲル。
最後の最後は、家族も死者もみんな揃った庭で全開で歌うミゲルの歌で終わります。
三拍子のテンポ、ギターのアルペジオでゆっくり始まり
バイオリンやアコーディオンが徐々に加わり
ちょっとずつテンポアップ
転調してコーラスも加わって
陽彩くんのハイトーンボイス全開で
『みんなの思い出とともに、生き続けるいつまでも。』で幕を引く。
このたった2分がもう素敵すぎて巻き戻して4回見ましたw
この物語の全てを歌い切る、影の主題歌だと僕は思ってます。
こんな歌、ワシも歌いたいぜー。
死者の国を描いた物語でこんなに晴れやかで爽やかな気持ちで終わる事ができることがとても嬉しい。
2回見ると気づけること。
- 「音楽は私の中にある」とか言ってるデラクルスの言葉の薄っぺらさ。
- ミゲルの母、よく見たら確かにお腹大きかった。
- ヘクターがリハーサル会場で言う「ミュージシャンはみんなろくでなしだ。」という言葉の意味が分かる。
- ヘクターに「何にもわかってないんだね。」って言ったミゲルだが、分かっていなかったのはミゲルだった。
- ウンポコロコ歌ってる時もヘクターは基本的にハモりで引き立て役。
ミュージシャンだと証明すると意気込んで参加したミゲルをずっと引き立ててくれている。 - ダンテ(犬)はミゲルとヘクターが一緒の時は幸せそうに暇を持て余す。
離れると怒って嫌がることをする。
実は魂の案内人として動いていた。あと、ライオンキングのハイエナのエドに似てる。 - お供え物の数が死者の国の裕福さを決めている。
覚えてくれている人が多いデラクルスは裕福で、忘れ去られている人たちは貧しい。 - ミゲル、結構なんでもやる。
ビデオ見ながらギターの練習したり。
コンテストに出るために霊廟のギターを拝借しようとしたり。
霊廟の鍵が閉まっていても、音でバレないように花火の音と一緒に窓を壊したり。
パーティー会場に潜り込むために音楽隊に頼み込んだり。
デラクルスに気づいてもらうために大人数の前で演奏したり。
ライブ会場に潜り込むためにリハーサルで知り合った女優に協力してもらったり。
目的を達成するために結構手段を選ばない。
メンタル強い。ハングリー精神強い。見習いたい。
ポジティブに『死』と向き合った作品。
この物語に出てくる骸骨たちはホントに可愛らしい。
顔にはおしゃれな模様が入っていたり女性はお化粧していたり。
ホラーさが薄れて人間味が溢れている。
骨がばらけた時に元に戻るのもとってもポップ。
バラバラになってもリフティングみたいに蹴り上げて元の形に戻ったり、弓やヌンチャクのように骨を扱ったり結構自由自在だ。
死者の国を出るときに出入国審査があったり、お供え物を持って帰るときに国に申請が必要だったり。
いちいち設定が面白い。
ナイトメア・ビフォー・クリスマスをより子供達が見れるような柔らかさで描いてくれている感じです。
そして、スタッフロールの最後はこれまでのディズニーを支えてきた先人たちの画像が祭壇に飾られ
『時を超えて、私たちを支え、力を与えてくれた人々を決して忘れない。』
と敬意を伝えていることも本当に素敵で心が動きます。
この世界、本当にあるんじゃないか、と思ってしまう、
本当にあってほしいと願いたくなる、そんな名作だったなーって思います。
『家族なんてもういらない。』と言っていたミゲルが
『僕らの家族だ、ずっと忘れないでいようね。』と妹に伝えるほど成長していく中で、
祖先を想うことの大切さを実感できる最高のファミリー映画。
こんなにポジティブに「死」と向き合った作品は見たことない!
親戚一同で集まった時なんかにでも、ぜひ見てみてくださいな。
今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
またねー。